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仙台地方裁判所 昭和54年(わ)429号 判決

本店所在地

宮城県塩釜市中の島二番一七号

商号

蜂屋食品株式会社

右代表者代表取締役

蜂屋儔

本籍

宮城県塩釜市中の島七五番地

住居

同市中の島二番一七号

会社役員

蜂屋儔

大正七年三月五日生

右の者に対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官松田成出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人蜂屋儔を懲役八月に、被告蜂屋食品株式会社を罰金一、〇〇〇万円に各処する。

被告人蜂屋儔に対し、この裁判確定の日から二年間その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社は、宮城県塩釜市中の島二番一七号に本店を置き、食料品製造業を営むもの、被告人蜂屋儔は、同会社の代表取締役としてその業務全般を統括していたものであるが、被告人蜂屋は被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外して簿外貸付信託を設定するなどの方法により所得を秘匿した上

第一  昭和五〇年八月一日から昭和五一年七月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が四、九六二万五、六五五円でこれに対する法人税額が一、八九八万五〇〇円であるのにかかわらず、同年九月二九日、宮城県塩釜市旭町一七番一五号所在の所轄塩釜税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一、五五四万六、七五九円でこれに対する法人税額が五三四万八、九〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同会社の右事業年度における法人税額一、三六三万一、六〇〇円をほ脱し

第二  昭和五一年八月一日から昭和五二年七月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が四、六五四万九、一一四円でこれに対する法人税額が一、七六九万九、〇〇〇円であるのにかかわらず、同年九月二七日、前記塩釜税務署において、同税務署長に対し、所得金額が二、一八二万八、三〇三円でこれに対する法人税額が七八一万六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同会社の右事業年度における法人税額九八八万八、四〇〇円をほ脱し

第三  昭和五二年八月一日から昭和五三年七月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が四、八五八万二、九九五円でこれに対する法人税額が一、八五九万二、八〇〇円であるのにかかわらず、同年九月二八日、前記塩釜税務署において、同税務署長に対し、所得金額が二、三一八万四、七四五円でこれに対する法人税額が八四三万三、六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同会社の右事業年度における法人税額一、〇一五万九、二〇〇円をほ脱し

たものである。

(証拠の標目)

判示各事実について被告人蜂屋の当公判廷における供述のほか、記録中の証拠等関係カード(検察官請求分)に記載されている次の番号の各証拠

判示事実全部につき

甲1ないし15、19、29

乙1ないし10

判示第一の事実につき

甲20

判事第二の事実につき

甲21

判示第三の事実につき

甲22

(法令の適用)

被告人蜂屋 法人税法一五九条一項、七四条一項二号

被告会社 法人税法一六四条一項、一五九条

刑種の選択 被告人蜂屋につき懲役刑を選択

併合罪加重 刑法四五条前段

被告人蜂屋に対する懲役刑につき同法四七条本文、一〇条、判示第一の罪の刑に加重

被告会社に対する罰金刑につき同法四八条二項

刑の執行猶予 被告人蜂屋に対し刑法二五条一項

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 伊藤紘基)

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